出来る限り「削らない」「抜かない」治療方針
当院では、できるだけ歯を「削らない」「抜かない」
治療を心がけています。
最近は、患者さま側から「歯を抜かないで」という要望
をうかがう機会も増えてきました。しかし、虫歯の大き
さによっては、止むを得ず抜いたり、深く削らなければ
ならないこともあります。
そのような場合、当院では患者さまとじっくりお話する
ようにしています。抜く・削ることのメリットとデメリ
ットをきちんと説明し、患者さまのご要望を最大限に
お応えする努力をいたします。
大切なのは、お口全体の「歯の健康」を考えることです。
急いで結論を出さず、最善の選択を一緒に考えましょう。
「虫歯かな?」このようなお悩みはありませんか?
☑ 歯に茶色、または白く濁ったような箇所がある
☑ 冷たいものや甘いものを飲食すると歯が痛む
☑ 歯に穴が空いていたり、欠けていたりする箇所がある
☑ 口臭が強くなったような気がする
☑ 歯と歯の間によく食べ物が挟まる
☑ 何もしなくても歯が痛む
むし歯の進行状況と治療方法
■C1段階
【症状】
• 自覚症状はほとんどありません
• 冷たいものがしみる、咬んで痛い、食事が出来ないとうことはありません
【発見】
• 症状がないことが多いので、患者さま御自身が気が付くことは少ないです
• 前歯などの見える場所であれば、色の変化に気が付くこともあります
• 多くは初診時の虫歯のチェックや定期検診で早期発見できます
【治療】
• 虫歯になった部分を少しだけ削ります
• 削った後は、歯と同じ色をしたレジンという白い樹脂を詰めて終了です
■C2段階
【症状】
• この段階では、しみるという症状が一番辛いと思います。
【発見】
• もしかしたら気が付かない方もいらっしゃるかもしれないです
• しみる症状があります
• この段階では日常生活において我慢できる事が多く、皆さん「しみるけど、
まだいいや」「歯医者は行きたくないな」「痛いかな、削るかな、怖いな」
「仕事が忙しいからまだ行かなくていいや」と理由は様々ですが、
すぐに来院される方は少ないのが現状です。
【治療】
• この段階で治療すれば、神経をとらずにすみますので
一刻も早く治療を受けた方が良いです。
• 虫歯を取り除き、
①歯と同じ色のレジンという白い樹脂で埋めて終了する場合
②虫歯が深く強度が必要な場合や歯と歯の間が虫歯の場合には、
型を取り、次回、詰め物をセメントで装着して終了する場合
症例に応じて、主に①と②の選択になります。
■C3段階
【症状】
• この段階になると、しみる症状が強くなったり、咬むと痛い、
何もしなくても激しく痛みだしたりすることがあります
【発見】
• C1,C2の段階で来院することなく、虫歯が進行してしまい、
患者さま御自身、痛みが強く我慢出来なくなり来院され発見される事が多いです
• この段階では神経を取らざるを得ません。神経がなくなると歯はもろくなり、
強い力で歯が割れたり一部が欠けやすくなります。
出来るだけ歯の神経は取りたくありません。ですから痛みがある方は
出来るだけ早く受診して頂き、早期発見•早期治療しましょう
【治療】
• この段階では虫歯が深く神経に達している状態です。
①歯の神経を抜いて、根の治療が必要になります
②根の治療が終わると、土台を作っていきます
③土台を入れた後は被せ物を装着していきます
■C4段階
【症状】
• 根っこだけの状態です。
• この段階では神経も腐っている事が多く、痛みを感じない事が多いです。
中には膿みが袋を作り圧力が高まり痛みが強く出る事があります。
根の周囲に膿みが溜まり口臭の原因になることもあります
【治療】
• 根の治療をして、可能な限り歯を残すように努めます
• 根の周囲の膿みが大きく他の歯に影響を及ぼす場合や、
根の治療が出来ない場合は歯を抜かなければなりません
• 歯を抜いた場合には最近ではインプラント治療により隣の歯を傷つける
ことなく自身の歯に近い形で歯を元通りにすることができます
保険診療で銀歯から白い歯へ(CAD/CAM冠)
2014年4月、診察報酬改定によりハイブリッドレジンのCAD/CAM冠が保険適用になりました。
保険が適用される歯は、前から4番目・5番目の小臼歯のみになりますが、
保険が適用されることで今までよりも気軽に白い歯をご選択頂けるようになります。
■CAD / CAM冠とは
通常、歯に装着する詰め物や被せ物は、歯科技工士による手作業で製作されてきました。
しかし現在では、コンピュータによる設計(CAD)やコンピュータによる加工(CAM)が
可能になり、このシステムで製作された被せ物をCAD/CAM冠といいます。
■ハイブリッドレジンとは
保険の詰め物の材料である歯科用プラスチック(レジン)にセラミックを混ぜた素材で出来ています。
セラミックと比較して透明感は劣りますが、柔らかいため噛み合う歯を傷めません。
レジンと比較しても変色しにくいといった利点があります。
また、歯の色合いを数種類から選べるため、隣り合う歯と類似した色合いが選べ、
審美性にも優れています。金属を一切使用していませんので、金属アレルギーの方にも安心です。
■CAD / CAM ハイブリッドレジンのメリット
保険が適用されるため、経済的です。金属冠と比べて、審美性に優れています。
天然の歯とかみ合わせても、天然の歯が削れにくいです。噛んだときのあごへの
負担が少ないです。金属を使用していないため、金属アレルギーを起こしません。
■CAD / CAM ハイブリッドレジンのデメリット
保険適用内だと、前から4,5番目の歯(小臼歯)にしか使えません。
白いですが、色調が単調です。年数が経つと、変色します。
強度が低く割れやすいため、力がかかる歯にはつけられません。